長かったコロナ禍が収まりを見せ、多くの外国人が日本に再びやってくるようになりました。

今年の訪日外国人旅行者数のうち、マレーシアやインドネシアからは約13万人ずつと、ムスリムの多い東南アジアの国からの訪日外国人旅行者が、回復傾向にあります(JNTO調べ)。

また、これまで統計になかった中東諸国からも約3万人の観光客が訪れるようになりました。

観光客以外にも、留学生や日本企業に就職したムスリム、また結婚を機に改宗した方もおられ、在日ムスリムは約10-20万人いると言われています。

もはやムスリムは「遠い国の宗教」ではありません。

私達の隣人、また今後の海外からのお客様への対応として「ムスリム向けの対応」抜きには考えられません。

しかしその一方で、どうしたらいいのかわからない、例えば、

・ハラール認証がないと何も食べてくれないのではないか…

・ムスリムフレンドリーとハラールってどう違うの?

・そもそも、ハラールって何?

といった不安の声もよくお聞きします。

そこで、今回はいったん基本に立ち返り、「ムスリム対応の基礎知識」として、イスラム教の簡単な基礎知識から、ムスリムの方を受け入れるうえで知っておきたい情報をお話しいたしました。

また、ムスリムが多い中東や東南アジアの実例や現状についてもお話しいたしました。

今回はこの定例会についてのレポートとなっております。

 

概要

【日時】2023年6月21日(水)19:00-20:30、懇親会 20:30~21:30(退出自由)

【会場】ジェイ・ライン株式会社 セミナールーム 住所: 〒550-0015 大阪府大阪市西区南堀江1丁目11−1 三共四ツ橋ビル 9階

【定員】30名 

【参加費】1,000円 (税込)

【申込方法(オンライン)】
Peatixのページ(https://peatix.com/event/3603045)でお手続きください。

【申込方法(以下の内いずれか)】

facebookのイベントページで「参加予定」をクリック。
②協議会メンバーもしくは、info@kansai-muslim.orgまでご連絡頂く。

【講師プロフィール】

宮下 貴広

一社)関西ムスリムインバウンド推進協議会 理事

株式会社ヴィタリテ 取締役

法政大学社会学部社会学科卒業。在学中は、国際政治、特に中東の政治史を専攻。

大手証券会社、経済団体、アパレル ベンチャー勤務を経て、インドネシア、イラン、マレーシアなどの「イスラム圏専門商社」である株式会社ヴィタリテを2006年に創業。

工業原材料、機械、機械部品、食品等、幅広い商材の輸出入おこなう。

【主催】一般社団法人 関西ムスリムインバウンド推進協議会

【共催】Salam Groovy Japan

 

イスラームの基礎知識

まずはムスリム対応に取り組む上での基本情報についてご説明させていただきました。おもてなしをする相手の事を知るのは基本中の基本なのですが、日本人にとってイスラム教やムスリムは過去の歴史の中で非常に縁遠い宗教でしたのでしっかりとご説明させていただきました。

 

その上でよくご質問を受ける『ムスリムフレンドリー』と『ハラール認証』の違いや考え方についてお話しさせていただきました。

『ムスリム対応=ハラール認証』だと思われている方はまだまだ多いですので今後もこういった情報は幾度もご説明させていただこうと思います。

 

ムスリム観光客の期待と不安

実際に日本を訪れるムスリム旅行者が期待している事と不安に思っている事をマレーシア、インドネシア、中東を切り口にデータでご紹介させていただきました。地域毎に回答に特色があるのも面白いですね。

 

私たちができること

では日本を訪れるムスリムへのおもてなしをする上で我々が出来る対応策や注意点をご説明させていただきました。

 

食べ物と礼拝スペースはよく話題に上がりますが、それ以外にも気をつけるべきポイントがありますので注意が必要です。

大切な事は相手を理解しようとする姿勢と出来る所から少しずつでも対応を進めていく努力になります。

 

事例紹介

実際の対応例などの情報をご紹介させていただきました。

コロナ禍で対応を撤退された事業者様も多くいらっしゃいますが、その時のノウハウは現在でも非常に有効です。

 

現地情報

実際のムスリム達は日本や日本旅行をどのように考えているかなどを現地に飛んで調査した情報をご紹介さました。

2019: MATTA Fair(マレーシア)

2016-2019: Arabian Travel Market (UAE)

2021: ドバイ万博 (UAE)

 

総括

コロナで関西におけるムスリムインバウンドに関する状況も大きく変化しましたが、以前のプレーヤー達が徐々に近況報告も兼ねて定例会に参加してくださりました。

どの事業者様もコロナの苦境を何とか乗り切り、新しいインバウンドの流れの中で大きく羽ばたこうと懸命に努力されており、どのお話も大変興味深いものばかりで定例会後の懇親会は活況を呈しておりました。

弊会では今後もムスリムインバウンドに関する様々なイベントやサポートを行ってまいります。

ご要望やご相談がございましたら遠慮なしにお問い合わせください。

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。