早いもので今年も残りわずかとなりました。
コロナ禍は過去となりつつあり、再び多くの外国人が日本にやってくるようになり、訪日外国人旅行者数はコロナ前の水準と同程度となっています。
またコロナ前は統計データがほぼなかった中東諸国からの旅行者数も激増しており、東南アジアからだけでなく中東からのイスラム教徒(ムスリム)旅行者も確実に増えています。
加えて、留学や就職、また結婚を機にイスラム教に改宗した、日本在住のムスリムは約10-20万人いると言われており、イスラム教は「遠い国の宗教」ではなくなってきています。
今回の弊会の定例会は、そんなムスリムが大多数の国であるバングラデシュから留学と就職で来日、その後、日本に住むことになり、遂に日本国籍を取得されたマホムッド・ジャケルさんをお招きいたしました。
概要
【日時】2023年10月10日(火)19:00〜20:30
【会場】
大阪市立生涯学習センター 第7研修室
〒530-0001 大阪市北区梅田1-2-2-500
大阪駅前第2ビル5階
【定員】30名(先着順)
【参加費】1,000円(税込)
【講師プロフィール】
マホムッド・ジャケル
1972年、バングラデシュ独立戦争中に生まれる。フェニ県ダゴンブィヤンプロショバゴニプル村出身。アジア最貧国と言われたバングラデシュで青春期を過ごし、94年4月来日。出稼ぎも兼ねた外国人留学生として日本語を学び、城西国際大学人文学部入学。在学中にバングラデシュの現状を訴えたスピーチで「留学生日本語弁論大会」NHK大阪社長賞受賞。翌年「留学生スピーチコンテスト」で毎日新聞社賞受賞。卒業後は一外国人労働者として、仕事を転々としながら、入国管理局や大阪府警察本部等で民間通訳人も担当。
仕事の傍ら、バングラデシュ人留学生に日本での生活支援をおこない、19年NPO法人関西バングラデシュソサイエティ(KBS)設立。日本とバングラデシュの架け橋となる活動をしている。
現在は日本国籍取得。22年3月、初の著書「パンツを脱いだあの日から -日本という国で生きる- 日本社会の一員となったバングラデシュ人の物語」(ごま書房新社)を出版した。
【主催】一般社団法人 関西ムスリムインバウンド推進協議会
バングラデシュってどんな国?
まず、日本人には馴染みが少ないバングラデシュですが地理的にはどこかと言いますと、インドの東隣に位置します。
歴史を遡ると元々はパキスタンも含めてインドだったのですが、色々な経緯があり、現在ではインドの西側にパキスタン、東側にバングラデシュが位置する形になります。
人口はなんと驚きの1億7千万人!
世界第8位の人口大国で、2050年には2億人を突破するという予測推計も出ています。
国土は日本の1/3程の広さなので、人口密度が世界トップクラスの国になります。
国教はイスラム教で全人口の9割近くの人が信仰しています。
まだまだ発展途上中な為、『アジアの最貧国』として位置付けられていますが、近年では労働力が注目され、世界的企業の進出も増加しているのが特徴の国です。
なぜ日本に来たのか?
なぜジャケルさんは来日しようと考えたのか?
そのきっかけや実際に日本に来られてからの苦労や努力などをお話いただきました。
ジャケルさんは現在、日本国籍を取得しており立派に日本社会のメンバーの一員として活躍されております。
日本語もとても流暢。
しかし、日本で1から生活をする所から現在の姿になるまでには尋常ならざるストーリーがありました。
このストーリーに定例会にご参加頂いた方も前のめりにお話を聞いていらっしゃいました。
日本とムスリム
ジャケルさんは日本に精通したムスリムです。
日本人には馴染みがないイスラム教、ムスリムについて俯瞰した目線でお話をしていただきました。
『我々はムスリムとどう接すれば良いのか?』
『日本人がイスラム教を知る事で得られるメリット』
など、ご参加いただいた方の未来にとても役立つ内容でした。
総括
インバウンドが復活し、今後ますますムスリムの方との交流が増えていく事が容易に想像されます。
その中で、相手の国の事や考え方、宗教などを知っておく事がおもてなしにつながると我々は考えています。
今後も様々な国との相互理解を持てる機会を増やしていこうと考えておりますのでどうぞお気軽にご参加下さい。
今回ご参加くださいました皆様、本当にありがとうございました。