関西ムスリムインバウンド推進協議会ディレクターの水谷です。

イスラム教徒にとって神聖な一カ月、ラマダン(断食月)が始まり早や二週間が経過しました。今年はひょんなことから断食をイスラム教徒と共にしております。

そこで日本でラマダンを実際に経験して感じた苦労などを共有したいと思います。

日本でのラマダン中の苦労

① 職場での理解

私は断食中は空腹と睡眠不足により集中力が低下してしまいました。仕事中の集中力が落ちてしまう方もいるようで、事情を知らない日本人からの理解を得るのに苦労する事があるそうです。(私も職場で事情を説明し理解を得るのに苦労したので、如何に日本の社会でラマダンを行うのが難しいのかというのを肌で感じました。)

② お冷(氷入り)

断食明けの時間になるとまず軽食(ナツメヤシとお水が一般的)をモスクで摂ります。しかし、仕事の関係上 会社の外に出られない / 夕食はレストランで食べなければならない場合があります。その時、身体は乾いているので水分を欲しますが、氷が入っていると身体に負担がかかる為、常温のお水を提供してもらえると助かりました。ムスリムの方に話を聞くと、最近のコンビニでお水を常温販売している所もあり非常に助かっているそうです。

③ 突然の立ち眩み

ラマダン中の生活リズムは以下のような場合が多いです。


02:00 朝ごはん(サフール)

02:50 お祈り

03:10 就寝

05:00 起床、お祈り

06:00 出勤

– 勤務 –

12:00 お祈り

– 勤務 –

15:15 お祈り

– 勤務 –

18:40 お祈り

食事

20:30 お祈り、就寝


ラマダン中は日中の食事を摂らない為、午後3時くらいになると体力的にも限界を感じ、突然の立ち眩みが起きる事も多いです。(睡眠も通常と異なるリズムとなる為)

④ゴシップ

イスラム教徒にとっての聖典『クルアーン』ではゴシップ(噂話、陰口)は死んだ兄弟の肉を食べるに等しい行為として重い罪とされています。神聖な月であるラマダン中はなるべくゴシップから遠ざかるようにするのに気をつけました。

 

まとめ

日本でのラマダンを体験してみてムスリムの苦労を少しではありますが感じる事が出来ました。イスラム教を国教としない日本でのラマダンに苦労する事は多いようですが、ムスリムにとってラマダンは魂の浄化を行う神聖な月として捉えているようで、同胞と一緒に約1ヶ月間苦行を乗り越える事で深まる仲間意識や自分の信仰心に楽しみや喜びを感じる人が多いそうです。ラマダンが終わるとそれを祝うお祭りもあるそうで如何にムスリムがこのラマダンを大切にしているかがわかります。

日本でもラマダン期間中の夕食(イフタール)をモスクで提供している所が多くあります。ノンムスリムの方でも参加が可能なので彼らの文化に触れる良い機会になればと今回のラマダン体験を通じて感じました。

ムスリムとノンムスリムの双方の文化理解が進む事を願っています。