2018年4月21日(土)、大阪ロータアクトクラブ 様 (以下、敬称略) のご依頼で神戸モスクにてムスリムとの異文化交流会を開催致しました。
目次
大阪ローターアクトクラブ
18 ~ 30歳までの青年男女が集う国内だけでなく全世界に存在する全世界のロータリークラブが提唱している組織。複数の委員会に分かれており、様々な活動をメンバーで協力しながら取り組むことで地域社会における将来の指導者を育成する事を目的としています。
今回は大阪ローターアクトクラブの国際奉仕委員会から「メディアで流れているイスラーム、ムスリムへの偏った情報ではなく、実際に会いに行き、交流を深める事で本質をチームの皆に理解してもらいたい」というご希望があり、当協議会でイベントを段取りさせていただきました。
初めてのイスラム文化体験
今回ご参加いただきました大阪ローターアクトクラブの皆様。三宮駅中央改札口に集合して皆で神戸モスクまで向かいます。(駅から歩いて15分ほどです。)
神戸モスク到着。今回はモスク内で様々なイベントも行う為、女性はヒジャーブを持参いただきました。髪の毛を隠す巻き方も初めての体験。
日本最古のモスクである神戸モスク。第二次世界大戦の神戸空襲からも阪神淡路大震災からも被害を免れた奇跡のモスクとして世界各国からの訪日ムスリムが訪れます。ムスリムにとって神戸随一の観光名所でもあります。
初めてのモスク訪問に皆さん少し緊張されてました。モスクの正面扉は普段は閉まっているので左側の通路から入り口に入ります。
神戸モスク見学
イスラーム勉強会
まずはイスラームについてムスリムからのお話をお聞きいたしました。非常に流暢な日本語で説明してくださったのが在日マレーシア人であるゾルさんと日本人ムスリムのハジメさん。
色々お話いただきました中で、印象に残ったのは「イスラームとは考える宗教」という言葉。
・自分はどこから生まれ、今何のために生きており、どこへ行くものなのか?
・その為にどうする事が正しいのか?
・それは何故なのか?
・生きるとは何なのか?
・死ぬとはどういうことなのか?
このような疑問を神(アッラー)からの啓示=生きる為のルールが書かれた教科書「クルアーン」を元に学びながら実践をしているのがムスリムだという。
礼拝見学
次に男女に分かれてムスリムの礼拝を見学。
礼拝はムスリムが神(アッラー)と会話をする神聖な時間。静まり返った静寂の中、各々が一心にお祈りをする姿から厳かな雰囲気を感じる事が出来ます。
ムスリムとの合同昼食 | 「ハラール」と「ハラーム」
礼拝見学が終了し、ムスリムとの合同の昼食をモスク内の会議室にて行いました。
ご存知の方も多いかもしれませんが、ムスリムは宗教上の理由により食の禁忌があります。代表的なものとして豚成分とアルコール成分が含まれた食事は禁じられています。
イスラームの中で「許されたもの」という意味で使われる言葉が「ハラール」。「許されていないもの」を「ハラーム」と言い、ムスリムが生きる上で全ての行動規範に用いられます。
食に関しても許された「ハラール」のものを食べなければいけません。
今回はその「ハラール」の対応をした料理のケータリングを行っている大阪・高石市の南海ケータリングサービス㈱ 様 (以下、敬称略) にお弁当の宅配をご依頼いたしました。
ムスリムも食べられる食事提供のご相談は近畿圏のケータリングサービスを一貫して手がけられている南海ケータリングサービス㈱ まで。
南海ケータリングサービス㈱ 代表取締役社長: 榮本信子 氏のインタビュー
交流会
昼食も終わり、いよいよ交流会のスタートです。
趣旨説明
今回の交流会の趣旨として世界の1/4にもなるムスリム。その数は今後も増える事が予測される中で日本では在日のムスリムの数は推計で約20万人ほどと言われており極端に少なく、歴史的にも地理的な条件もあり縁遠い宗教であった為、彼らの情報はもっぱらメディアを通しての偏ったイメージが強いのが現状と言えます。
今回当協議会にご相談いただきましたご担当者の方は「自分が知っている彼らの本質をもっとメンバーにも知ってもらいたい。」という思いからこの度の交流会が実現いたしました。
チーム分け & 自己紹介
交流会はチーム対抗のゲームを行う為、チームワークが必須です。皆さん自己紹介を行い少しずつ打ち解けていきました。自己紹介の仕方にも工夫がなされていて、大阪ローターアクトクラブのイベント段取り能力の高さに驚かされました。
英語で絵描き尻取り
最初のゲームは英単語で絵描き尻取り。絵心能力が試されますね。
ちなみに上の写真は「JAPAN→NOSE→EAR→RING→GLASS→?????→ELEPHANT→TOKEI??」
既に筆者にはいくつか??が出てしまっている状況ですww。
ペーパータワーづくり
次は各チームに30枚のA4コピー用紙を配布し、どんな形でも良いのでタワーを作ってもらい、その高さを競うというものでした。単純なルールなのですが発想は人の数だけあってこれはなかなかの頭脳戦でした。
優勝チーム。1回戦も2回戦もこの男性チームが優勝でした。すばらしいチームワーク♪
ローターアクトクラブとムスリム。相互にそれぞれの疑問をぶつけてみよう!
ムスリムに対して素朴な疑問、またムスリムからの日本人に対する疑問をそれぞれ話し合って解決しようというゲーム。
男女のグループに分かれてそれぞれ色々な質問を行いました。
男性グループの方では「ラマダンってどうなんですか?」や「日本人はストレスをどうやって解消しますか?」、「結婚について」、「100年前はあなたはどこにいて100年後にはどこへいっていますか?」など様々な質疑応答がなされました。
女性人はヒジャーブについてなどファッションに関する質問が多かったように思います。
締めの挨拶
締めの挨拶としてそれぞれの代表からご挨拶をいただきました。簡単に下記にまとめさせて頂きます。
岩橋会長 「メディアを通してではない実際の交流から多くの事を得る事が出来た良い経験でした。」
梶川代表理事 「今日の経験を今後ムスリムと関わっていく上で是非とも活かしてほしい。」
ゾルカナインさん 「イスラームやムスリムについて分からない事があったら何でも聞きに来てください。」
ハジメさん 「阪神電車の千船駅の近くにも大阪マスジドがあります。今日出来た絆を大切に是非こちらにも足を運んでください。」
実は今回のように神戸モスクの中で男女が同じ部屋で、しかもノンムスリムの方を交えて交流会を行うというのは初めての試みだったようです。神戸モスク側としても不安や戸惑いはあったようですが、今回は特別として一歩踏み出してやってみようとイベントが実現したことを本当にありがたく感じております。ご尽力いただきましたゾルカナインさん本当にありがとうございました。
イベントの時間中、色々なムスリムの方が会議室の中が気になって覗きに来られていらっしゃいました。様々な交流を通じてお互いの壁がなくなり理解しあえるような環境づくりこそが大切であり、今後の日本が目指すべき多文化共生の姿だと思います。
「ムスリムと共に 住んで良し訪れて良しの まちづくり」を目指し、これからも当協議会は努めてまいります。
今回のイベントにご参加、ご協力いただきました皆様、改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。